結論: 見出し価格でなく「使用量パターン+解約金+キャッシュバックの受け取り条件」まで含めて比べないと、乗り換えで損をすることがある
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電力会社の乗り換えで一番多い失敗は、比較サイトのランキング1位をそのまま選んでしまうことです。 比較サイト自身が注記している通り、電気代は使用量や生活スタイルによって最適な会社が変わるため、 ランキング上位が必ずしも自分にとって最安とは限りません。単身で日中ほぼ家にいない世帯と、 オール電化で家族が多く使用量が多い世帯とでは、有利になる料金プランの構造が違います。
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比較の実務式は次の通りです。
実質年間差額 = (今の電力会社の年間電気代) - (新電力の年間電気代シミュレーション結果)
- 今の電力会社の解約金(発生する場合)
+ 乗り換えキャッシュバック(実際に受け取れる前提で)
この差額がプラスで、かつ十分な金額でなければ、乗り換えの手間に見合いません。
使用量パターンで「安い会社」は変わる
比較サイトの料金シミュレーターは、郵便番号・現在の電力会社・使用量(または世帯人数)を入力すると 年間の目安を出してくれますが、入力する使用量が実態と違うと結果もずれます。ここで見るべきポイントは2つです。
- 基本料金型か、基本料金0円型か: 使用量が少ない世帯(単身・日中不在が多い等)は基本料金の 安さが効きやすく、逆に使用量が多い世帯(オール電化・在宅時間が長い家族世帯等)は従量料金の 単価や段階制の設計が効きやすい構造になっています
- 時間帯別料金や市場連動型かどうか: 在宅時間帯によって有利不利が変わるため、自分の生活時間帯と 料金体系が噛み合っているかを確認してください
シミュレーターの結果は「あくまで目安」であり、実際の請求額と一致するとは限らない点も比較サイト側が 明記しています。乗り換え前に、少なくとも直近数ヶ月分の検針票の使用量(kWh)を手元に用意してから シミュレーションに入力すると、目安の精度が上がります。
見落としやすい2つのコスト
- 今の電力会社の解約金: 電力自由化前からの標準プラン(従量電灯B・Cなど)や、大手電力会社の 多くのプランには解約金の設定がありません。一方で、新電力の独自プランには最低利用期間が 設定されているものがあり、その場合は契約更新月以外に解約すると違約金が発生することがあります。 金額は数千円程度のことが多いですが、1万円を超える設定をしている会社もあるため、 契約時のプラン名と契約書・マイページで必ず確認してください
- キャッシュバックの受け取り条件: 乗り換えキャンペーンの多くは「開通後◯ヶ月目に案内が来て 自分で申請する」形式です。案内メールを見逃すと受け取れないため、いつ頃案内が来る想定かを カレンダーに登録しておくのが実務解です(hikari-norikae/sim-norikaeと共通の落とし穴です)
電力特有の手続き構造(固定回線・モバイルとの違い)
電力の乗り換えには、光回線のような開通工事の日程調整は基本的にありません。
- スマートメーターへの交換は原則無料で、送配電を担う地域の電力会社(送配電事業者)が実施します。 すでに設置済みの家庭も多く(全国でのスマートメーター設置はほぼ完了している段階です)、 設置済みなら交換自体が不要な場合もあります。まれに建物側の設備状況で追加工事が必要になり、 その場合の費用は申込者負担になることがあります。交換作業時には短時間(目安15分程度)の 停電を伴うことがあります
- 切り替えにかかる期間の目安: スマートメーター交換が不要なら申込から4日程度、交換が 必要なら2週間程度で切り替えが完了します。工事の予約待ちで数週間〜1ヶ月先になることがある 光回線とは違い、繁忙期でも比較的短期間で完了します
- 同一住所での切り替えなら、今の電力会社への解約連絡は基本的に不要です。新しい電力会社への 申し込みが完了すると、旧電力会社への解約手続きは新電力側が代行し、検針日に自動で切り替わります。 ただし引っ越しを伴う場合はこの代行の対象外で、旧居の使用停止手続きは自分で行う必要が あります。引っ越しでの電気の手続きは1〜2週間前を目安に済ませてください
今は乗り換えないほうがいい人
- すでに解約金が発生する契約期間の途中で、残りの期間が長い人: 違約金がキャッシュバック額を 上回る場合、乗り換えても実質的にはマイナスになります。契約書で残りの期間と違約金額を 先に確認してください
- 近い時期に引っ越しの予定がある人: 切り替え直後に転居すると、旧居の解約手続きと転居先での 新規契約が重なり、手間が二重になるだけでなく、場合によっては解約金が発生することもあります
- 市場連動型プランの仕組みを理解せずに「基本料金0円」の魅力だけで契約しようとしている人: 市場連動型は卸電力市場(JEPX)の価格に連動するプランで、2020年冬から2021年にかけて 寒波と燃料不足が重なり、通常時1kWhあたり10円程度だった市場価格が東京エリアで一時250円程度 まで高騰し、市場連動型プランの契約者の電気代が急騰した事例があります。現在は市場監視の 強化などの対策が進んでいますが、仕組みを理解した上で選ぶべきプランです
- すでにオール電化割引など、今の電力会社の特殊なプランで十分に安くなっている人: 一般的な 新電力プランに乗り換えるとかえって割高になることがあります
乗り換えの正しい順番
- 直近数ヶ月分の検針票で自分の使用量(kWh)を確認する
- 今の契約が解約金の対象かどうかを契約書・マイページで確認する
- 比較サイトのシミュレーターに実際の使用量を入力し、複数社で試算する
- 新電力へ申し込む(同一住所なら旧電力への解約連絡は基本不要、新電力側が代行)
- キャッシュバックの案内が来る時期をカレンダーに登録しておく
まとめ
電力会社の乗り換え判断は、見出しの料金プランではなく、自分の使用量パターンに合った料金体系か、 解約金が発生しないか、キャッシュバックを確実に受け取れるかまで含めて考えること。工事の日程調整が ほぼ不要な分、固定回線より手軽に乗り換えられますが、市場連動型プランのリスクや引っ越し時の 手続きの違いは正直に理解した上で判断してください。艦隊全体の考え方は親記事[denki-norikae-zenbu]を 参照してください。